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IGN LiDAR HDのダウンロードとQGISでの開き方

公開日

LiDAR HDは、IGN(フランス国土地理院)が2021年からフランス全土で計測している航空LiDAR点群です。密度は1m²あたり10点以上で、1km四方のタイルごとに、分類済み点群、DTM、DSM、高さモデルが無料で公開されています。2026年9月6日時点の公開タイルは507,791枚で、コミューン(フランスの基礎自治体)の面積の78.4%、34,877コミューンのうち30,933コミューンを全域カバーしています。まだ1タイルもないコミューンは3,054です。この記事では、年ごと・県ごとの整備状況を示したうえで、タイルを入手する4つの方法と、QGISで開く手順を紹介します。

LiDAR HDの整備状況は?

分類済み点群の公開範囲は、コミューン面積の78.4%です。34,877コミューンのうち30,933コミューンは、全域が公開されています。

確認したい項目フランス全土、2026年9月6日時点
公開済みの1km四方タイル507,791
点群が公開されているコミューン面積の割合78.4%
99%以上が公開済みのコミューン34,877のうち30,933
タイルが1枚もないコミューン3,054
公開済みコミューンの居住人口60,241,094人
公開済みの最初と最後の飛行日2021年4月13日、2026年1月19日
タイルの最新版2026年7月7日
飛行年公開済み面積に占める割合
2021年24.9%
2022年28.2%
2023年20.8%
2024年15.9%
2025年10.2%

数値の出どころは、当社がdata.gouv.frで公開しているコミューン別のIGN LiDAR HDマップのデータセットです。公開済みの1km四方ごとに飛行日を記録したタイルのメタデータを、AdminExpressの行政界と突き合わせています。IGNは50km四方のブロックごとに進捗状況を示す地図を公開していますが、飛行日は載っておらず、特定のコミューンについて答えも出せません。このデータセットなら分かります。

コミューンごとにLiDAR HDの飛行年(2021年から2026年)で色分けしたフランスの地図。点群が未公開の地域は灰色。
コミューン別のLiDAR HD飛行年。TerraLabがIGN LiDAR HDとAdminExpress(Licence Ouverte 2.0)から作成。2026年9月6日抽出。

IGNはこのプログラムを「6年間で段階的に実施」し、「平均して1m²あたり10点を目標」とするものだと説明しています(LiDAR HDプログラム、ign.fr、2025年2月28日、フランス語)。

県ごとの整備状況は?

9つの県(デパルトマン)には、それぞれ専用の記事があります。コミューン別の地図、主要都市の飛行日、未公開の地域の一覧を載せています。

県公開済み面積全域公開のコミューンタイルなし主な飛行年
ノール46.1%647のうち2673422023年
パリ100%1のうち102023年
ブーシュ=デュ=ローヌ99.9%119のうち11702021年
ローヌ100%266のうち26602021年
ジロンド99.6%534のうち53002023年
ロワール=アトランティック100%207のうち20702024年
オート=ガロンヌ100%586のうち58602022年
セーヌ=エ=マルヌ40.7%507のうち1922612024年
フィニステール67.8%277のうち193552025年

読み取れる点は2つです。ローヌとブーシュ=デュ=ローヌは100%公開済みですが、飛行は5年前の2021年です。ノールとセーヌ=エ=マルヌは公開が半分に届いておらず、空白になっているのは都市部です。リール、ルーベ、トゥールコアン、モーには公開済みタイルがありません。

LiDAR HDのタイルをダウンロードするには?

タイルは1km四方です。1タイルにつき4種類のデータがあります。COPC LAZ形式の分類済み点群と、そこから作られる50cmのGeoTIFFラスタ3種類です。ラスタは、DTM(数値地形モデル、裸地の標高)、DSM(数値表層モデル、あらゆる物の頂部の標高)、そして両者の差である高さモデルです。フランス本土では、すべてLambert-93(EPSG:2154)で、標高はIGN69です。入手方法は4つあり、手軽な順に紹介します。

方法1:PointCloudFRプラグイン

プラグインをインストールする

「プラグイン」→「プラグインの管理とインストール」で「PointCloudFR」を検索し、「プラグインをインストール」をクリックします。2026年9月10日公開のバージョン2.3.1(作者:Samy Khelil)で、QGIS 3.34以降が必要です。

対象範囲を描く

フランス国内で必要な範囲を囲むポリゴンレイヤを作成するか、AdminExpressからコミューンを読み込みます。

ダウンロードを実行する

「プロセシングツールボックス」→「PointCloudFR」で、領域レイヤ、取得するデータ(点群、DTM、DSM、高さモデル)、出力フォルダを指定します。プラグインが、範囲と交差するタイルをすべてダウンロードします。

方法2:QGISのAI Agentに頼む

TerraLabが開発しているQGISプラグインのAI Agentは、チャットパネルです。文章で依頼すると、レイヤがプロジェクトに追加されます。タイルをフォルダに保存する機能はありません。LiDAR HDの地形モデルや陰影図を読み込めるほか、タイルのアドレスを渡せば点群のタイルも開けます。

地形モデルを依頼する

たとえば「リヨンのCroix-Rousse地区について、LiDAR HDの1m地形モデルを陰影図付きで読み込んで」と入力します。パリ、ローヌ、オート=ガロンヌ、ブーシュ=デュ=ローヌ、ジロンドの5県では、AI Agentは、TerraLabがホストするコピーから1mのDTMを取得します。コピーは県ごとに1ファイルで、ファイル全体ではなく必要な部分だけを読み込みます。それ以外の地域では、IGNの50cm LiDAR HD陰影図を追加します。これは点群が公開されている範囲に描画された画像で、標高値は持ちません。高さの値は、5mのRGE ALTIから取得します。

点群のタイルを開く

方法3のWFSレイヤにあるタイルのurl_nplアドレスを、チャットに貼り付けます。AI Agentは.copc.lazを点群レイヤとして開きます。ファイルは保存せず、Géoplateformeから直接読み込みます。

扱えるのは1mの解像度で、IGNのタイルの50cmではありません。DSMと高さモデルも読み込めません。これらが必要な場合や、ディスク上のファイルを使いたい場合は、方法1を使ってください。

方法3:WFSでタイルレイヤを読み込む

この記事の数値は、この情報源から読み取ったものです。各タイルのダウンロードアドレスも入っています。

GéoplateformeのWFSを追加する

「レイヤ」→「レイヤを追加」→「WFS / OGC API - 地物レイヤを追加」を開き、「新規」をクリックします。URLにhttps://data.geopf.fr/wfs/owsを入力して「接続」をクリックします。

メタデータレイヤを読み込む

一覧からIGNF_LIDAR-HD_METADONNEE:metadataを探して追加します。公開済みのタイルごとに1地物があり、飛行日、ミッション、センサー、密度が記録されています。

アドレスを確認する

必要なタイルを選択して、属性テーブルを開きます。url_nplがLAZ点群、url_mnt、url_mns、url_mnhが3種類のラスタです。アドレスをブラウザやスクリプトに貼り付けるとダウンロードできます。

方法4:cartes.gouv.frのカタログ

IGNカタログのLiDAR HD点群のページから、タイルインデックスを使ってダウンロードできます。従来のポータルdiffusion-lidarhd.ign.frは、2026年9月17日に503エラーを返しました。cartes.gouv.frを経由してください。

LiDAR HDのタイルをQGISで開くには?

点群

「レイヤ」→「レイヤを追加」→「点群レイヤを追加」を開き、.copc.lazファイルを選びます。QGIS 3.26以降はCOPCを直接読み込めるので、変換は不要です。分類で色分けすると、地面、建物、植生を見分けられます。

DTMまたはDSM

「レイヤ」→「レイヤを追加」→「ラスタレイヤを追加」を開きます。複数のタイルは、「ラスタ」→「その他」→「仮想ラスタを構築」で、コピーせずに1つにまとめられます。

見やすい陰影図

DTMに対して「ラスタ」→「解析」→「陰影図(hillshade)」を実行します。オルソ画像では見えない盛土、溝、基礎が浮かび上がります。

LiDARでは分からないことは?

点群から分かるのは、飛行した日の地面の形と、その上にある物の高さです。次の3つは分かりません。

  • それが何か。 高さモデルで8mのセルは、屋根かもしれませんし、樫の木かもしれません。自動分類は地面、建物、植生を分けますが、物置と住宅の区別まではつきません。
  • 飛行後に何が変わったか。 公開済み面積の4分の1は2021年の飛行で、その後に建てられた物は含まれません。
  • 灰色のコミューン。 3,054のコミューンは、まだタイルが公開されていません。

この3つの場合は、現在の状況を知る情報源としてオルソ画像が引き続き使えます。TerraLabが開発しているプラグインのAI Segmentationは、そのオルソ画像から建物のフットプリント、道路、樹木をポリゴンとして抽出します。そこにLiDAR HDの高さモデルを重ねれば、ポリゴンごとに高さを付けられます。

3つのラスタの違いは、DSM vs DTM vs DEMをご覧ください。QGISに関するその他の記事は、QGISとAIのページにまとめています。

よくある質問

LiDAR HDは無料ですか?

はい、無料です。分類済み点群、DTM、DSM、高さモデルはLicence Ouverte 2.0(フランスのオープンライセンス)で公開されており、IGNの出典を明記すれば商用でも使えます。タイルのダウンロードにキーやアカウントは不要です。

地図で自分のコミューンが灰色ですが、飛行していないのですか?

そうとは限りません。灰色は、2026年9月6日時点で、コミューンの半分未満しか分類済み点群が公開されていないことを示します。IGNは飛行の1〜2年後に点群を公開するため、2025年に飛行したブロックが2027年まで灰色のままになることもあります。飛行が実施されたかどうかは、cartes.gouv.frのブロック別進捗マップで確認できます。

どのバージョンのQGISでタイルを開けますか?

QGISは、バージョン3.26からCOPC形式を読み込め、3.32から点群を処理できます。PointCloudFRプラグインには3.34以降が必要です。DTM、DSM、高さモデルのラスタは通常のGeoTIFFなので、どのバージョンでも開けます。