QGISとは?無料で使えるGISソフトを解説(2026年版)
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QGISとは、地図の作成と地理データの解析ができる、無料のオープンソースGISソフトです。GISは地理情報システム(geographic information system)の略で、場所に結びついたデータを保存し、表示し、分析するソフトを指します。QGISはWindows、macOS、Linuxで動作し、ほとんどの地図ファイル形式を開くことができ、商用利用でも費用はかかりません。名称は2013年まで使われていた「Quantum GIS」に由来します。

QGISの用途はArcGISと同じです。洪水の浸水域を地図にする、土地の区画を測る、診療所から2km以上離れた学校をすべて探す、都市計画の資料用に地図を印刷する、といった作業に使われます。2002年にGary Shermanが開発を始め、現在はボランティアと有給の開発者からなるコミュニティが運営し、QGISを使う組織が資金を支えています。
私は1年以上、QGISプラグインの開発に専念していますが、いまだに知らなかった機能に出会います。このページは、新しく入った同僚に初日に伝える内容をまとめた概要です。私たちはAI Agentも開発しています。普通の言葉で依頼するだけでQGISの作業を代行するプラグインなので、AIについては終盤で触れます。
QGISとは:主な用途
QGISは、物事の位置が関わる問いに答えるためのソフトです。データの読み込みから最終的な地図の印刷まで、作業全体をカバーします。
| 作業 | QGISでの操作 | 主な利用者 |
|---|---|---|
| 地図を作る | レイヤのスタイル設定、ラベルの追加、凡例とスケールバーを入れたページのレイアウト、PDFへのエクスポート | 都市計画担当者、コンサルタント、NGO、ジャーナリスト |
| データを編集する | 地図上でポイント、ライン、ポリゴンを描いて修正する | 測量士、地籍や公共インフラの担当チーム |
| 分析する | 距離や面積の計測、レイヤの重ね合わせ、ゾーンごとの件数集計 | 環境や都市の分析担当者 |
| 画像を扱う | 衛星画像、航空写真、ドローン画像の読み込み、NDVIなどの指標の計算 | 農業、林業、リモートセンシング |
| 変換と整備 | ファイル形式や座標参照系の変更、壊れたジオメトリの修復 | 他者からデータを受け取るすべての人 |
| 公開する | 地図のウェブ公開、現場作業用にプロジェクトをスマートフォンへ送信 | 自治体や官公庁のGISチーム |
これらはすべて、2種類のデータの上に成り立っています。ベクタデータは、属性情報を持つ図形です。人口を持つ国がその例です。ラスタデータはピクセルの格子で、衛星写真や標高の地図がその例です。

QGISの構成
QGISは1つのプログラムではなく、ツールの集まりです。GIS業界の多くが使っている無料のライブラリを共有しています。

- QGIS Desktopは、多くの人が「QGIS」と言うときに指すアプリです。
- QGIS Serverは、同じ地図を標準的なウェブ地図サービスとして公開します。
- QFieldはOPENGIS.chが開発したアプリで、QGISのプロジェクトをAndroidやiOSのスマートフォンに持ち出して現場作業に使えます。
- プロセシングはツールボックスです。QGIS 4.0には、すぐ使える解析ツールが462個入っています。関連GISであるGRASSをインストールすると、さらに307個が加わります。
- 内部の仕組みとして、ファイル形式はGDAL(140種類以上のラスタ形式と80種類以上のベクタ形式)、座標系はPROJ、ジオメトリはGEOSが担当します。ArcGISやGoogle Earth Engineも同じライブラリを使っています。
集計方法:2026年9月26日に、macOS版QGIS 4.0.0に登録されているツールをプロバイダごとに数えました。内訳はネイティブ339個、GDAL 59個、QGIS 39個、PDAL(点群)24個、3D 1個で、合計462個です。GRASSプロバイダには、さらに307個が表示されます。ただし、テストしたmacOSパッケージにはGRASS本体が含まれていなかったため、これらは別途インストールが必要です。サードパーティのプラグインが追加するツールは数えていません。
QGISは本当に無料か
はい。誰でも、どんな用途でも無料です。QGISはGNU GPLライセンス(バージョン2以降)で提供されています。何台のコンピュータにでもインストールでき、有償の受託業務にも使え、コードを変更することもできます。守るべきルールは1つだけで、改変したQGISを配布する場合は、その変更内容も公開することです。
運営資金は利用者から集まっています。QGIS.orgの公開財務報告書によると、2025年には30か国から128の継続支援会員(サステイニングメンバー)が参加し、収入は€455,628でした。この資金は、バグ修正、パッケージ作成、サーバーの運用に充てられます。実際にかかる費用は、習得にかける時間と、必要な場合のサポート契約です。サポート契約は複数の企業が販売しています。
QGIS 4:2026年に変わった点
QGIS 4.0(コードネームはNorrköping)は、2026年3月6日にリリースされました。変更の大半は内部にあります。QGISは、ウィンドウを描画するツールキットの新しい版であるQt6に移行しました。ユーザーから見た見た目や操作はQGIS 3と変わらず、新機能が100以上追加されています。
注意が必要なのはプラグインです。各プラグインの作者が更新し、QGIS 4に対応済みであることを示す必要があります。2026年9月26日時点で、公式リポジトリの3,600件のうち1,377件、つまり38%が対応済みでした。ダウンロード数上位10件のうち、いくつかはまだ対応していませんでした。
QGISは4か月ごとに新バージョンを出しています。一部のバージョンは長期リリース(LTR)となり、修正がより長く提供されます。2026年9月26日時点のダウンロードページでは、最新版がQGIS 4.2.2、長期リリースがQGIS 3.44です。大切な作業には3.44を使い続け、4.2を並べてインストールしておき、使っているプラグインが対応してから切り替えることをおすすめします。
QGISのプラグインを数える
プラグインは、QGISに新しい機能を加える拡張です。誰でも公式リポジトリに公開できます。インストールはQGISの中から、「プラグイン」→「プラグインの管理とインストール」で行います。

2026年9月26日に、リポジトリ全体を集計しました。
3,600
公式リポジトリのプラグイン数
99.6M
全プラグインの合計ダウンロード数
38%
QGIS 4対応済みの割合
174
AIまたは機械学習に言及
ダウンロード数の多いプラグインを見ると、最初に導入されるものがわかります。ベースマップ、OpenStreetMapデータ、土地被覆のツールです。
| 順位 | プラグイン | ダウンロード数 | 主な機能 |
|---|---|---|---|
| 1 | QuickMapServices | 12,540,473 | OpenStreetMapや衛星画像などのベースマップを追加 |
| 2 | OpenLayers Plugin | 3,837,109 | 旧来のベースマッププラグイン(現在は後継に置き換え済み) |
| 3 | QuickOSM | 3,320,617 | 指定した範囲のOpenStreetMapデータをダウンロード |
| 4 | Semi-Automatic Classification | 2,663,097 | 衛星画像から土地被覆を分類 |
| 5 | HCMGIS | 2,264,396 | ベースマップ、住所検索、変換ツール |
| 6 | Lat Lon Tools | 1,858,486 | 座標の取得と変換 |
| 7 | mmqgis | 1,738,598 | 住所検索、結合、アニメーションのツール |
| 8 | Profile tool | 1,727,535 | ラインに沿った地形断面を描画 |
| 9 | qgis2web | 1,654,715 | プロジェクトをウェブ地図に変換 |
| 10 | Qgis2threejs | 1,499,281 | プロジェクトをブラウザ上で3D表示 |
数え方:plugins.qgis.orgから、QGIS 3.44用とQGIS 4.0用のプラグイン一覧をダウンロードし、プラグインごとに1行に整理して、合計3,600件としました。「QGIS 4対応済み」は、リポジトリが公開している4.0用の一覧に基づきます。同じ日にQGIS 4.0自体のプラグインマネージャが表示したのは1,372件で、この一覧とほぼ一致します。AIの件数は、名前、タグ、説明文に対するキーワード検索の結果で、実際より少し多めに数えています。
QGISとArcGISを1段落で比較
ArcGIS ProはEsriが提供する、最もよく知られた有償GISです。Windowsでしか動作せず、米国ではユーザー1人あたり年額$700〜$4,200かかります。QGISは無料で、すべてのデスクトップOSで動作し、日常的な地図作成や解析の大半を同じようにこなせます。ArcGISが優位なのは、一部の専門ツール、大企業向けの導入環境、公式サポートです。QGISとArcGISの詳しい比較には、3年間の費用表があります。
QGISの始め方
QGISをインストールする
qgis.orgからダウンロードします。安定性を重視するなら3.44、最新機能が欲しいなら4.2です。両方を並べてインストールできます。
ベースマップを追加する
ブラウザパネルで「XYZ タイル」を開き、「OpenStreetMap」をダブルクリックします。衛星画像を使う場合は、QGISでベースマップを追加する方法を参照してください。
データを読み込む
シェープファイル、GeoPackage、GeoJSON、座標を含むCSV、GeoTIFFなどのファイルを、地図にドラッグします。違う場所に表示された場合、原因はほとんどの場合、その座標参照系です。
スタイルを設定して印刷する
レイヤをダブルクリックして色を変更します。地図の見た目が整ったら、「プロジェクト」→「新規印刷レイアウト」で、凡例、スケールバー、タイトルを入れたページを作成します。
ラスタレイヤも同じ手順で扱えます。ここでは、インド・ヒマラヤの標高地図に、緑の谷から白い山頂までのカラーランプをかけ、その上に陰影図を重ねて、山並みを際立たせています。

QGISでのAI活用
QGISの中では、現在2種類のAIが動いています。1つ目は画像を読み取るAIです。衛星写真やドローン画像から建物、道路、樹木を見つけ、図形として描き出すモデルです。2つ目は作業を代行するAIです。やりたいことを普通の言葉で伝えると、エージェントがプロジェクト内で手順を実行します。1つ目についてはGeoAIとはで、2つ目についてはQGISのAIエージェントで解説しています。
1通のメッセージでQGISの作業を行う
私たちはAI Agentを開発しているため、この節では自社のプラグインを取り上げます。AI AgentはQGISにチャットパネルを追加します。「この川から500m以内の公園を地図にして、合計面積を出して」のように必要なことを入力すると、データを探し、QGISのツールを実行し、結果にスタイルを設定して、何をしたかを報告します。
地図に何を出したいかは決まっているが、そこに至るまでに10個のダイアログを順にクリックしたくない、という人のために作りました。削除の前には確認を求め、実行したすべての手順を一覧で示し、1回のメッセージ分の操作はワンクリックで元に戻せます。このガイドで紹介した操作は、これまでどおり手作業で、無料で行えます。エージェントが省くのは、クリックの手間です。
プラグインマネージャから、ほかのプラグインと同じようにインストールできます。無料プランがあり、カードの登録は不要です。
この記事のまとめ
QGISとは、地図の作成と地理データの解析ができる、無料のオープンソースソフトです。商用利用でも費用はかかりません。
QGIS 4.0は2026年3月6日にリリースされました。最新版は4.2.2、長期リリースは引き続き3.44です。2026年9月26日時点で、公式リポジトリの3,600件のプラグインのうち、QGIS 4対応済みは38%でした。
日常業務ではArcGIS Proと同じ作業をこなせ、Windows、macOS、Linuxで動作し、シェープファイルやファイルジオデータベースなどのEsriのファイルも開けます。
作業をもっと速く進めたい場合は、AI AgentのようなAIエージェントのプラグインを使えば、普通の言葉で依頼するだけでQGISの作業を実行できます。
よくある質問
QGISは何に使うソフトですか?
地図の作成と地理データの処理に使います。図形の描画と編集、距離や面積の計測、衛星画像やドローン画像の処理、ファイル形式の変換、地図のウェブやスマートフォンでの公開などが可能です。都市計画担当者、測量士、環境分析の担当者、公共インフラ事業者、NGOが日常的に使っています。
QGISは商用利用でも無料ですか?
はい。GPLライセンスにより、有償の受託業務、企業、官公庁での利用を、台数の制限なく無料で行えます。ルールが適用されるのは、QGIS本体を改変したものを配布する場合だけで、その際は変更内容を同じライセンスで公開します。
QGISは何の略ですか?
もとの名称はQuantum GISです。2013年に長い名称をやめ、現在のソフトは単にQGISと呼ばれています。GISは地理情報システム(geographic information system)の略です。
QGISはArcGISと同じくらい使えますか?
日常的な地図作成、編集、解析の大半では、同じように使えます。しかも、ArcGIS Proが動作しないmacOSとLinuxでも動作します。ArcGISが優位なのは、一部の専門ツール、大企業向けの導入環境、公式サポートです。両方を使っているチームも多くあります。詳しい比較で、項目ごとに見られます。
QGIS 4はもうリリースされていますか?
はい。QGIS 4.0は2026年3月6日にリリースされ、最新版は2026年8月28日公開の4.2.2です。長期リリースは引き続きQGIS 3.44です。プラグインはQGIS 4への対応が必要で、2026年9月26日時点で公式リポジトリの38%が対応済みでした。
QGISの習得は難しいですか?
基本は半日で身につきます。ベースマップの追加、ファイルの読み込み、色の変更、ページの印刷までです。解析は、ツールごとに設定項目があるため、もう少し時間がかかります。この部分はAIエージェントのプラグインで短縮できます。AI Agentなら、ほしい結果を普通の言葉で伝えるとツールを実行し、各手順も表示するので、使いながら覚えられます。
QGISでEsriのファイルは開けますか?
はい。QGISはシェープファイルとファイルジオデータベースを開いて保存でき、ArcGISのオンライン地図サービスにも接続できます。Esriのスタイルファイル(.lyr、.lyrx)の読み込みには、無料の変換プラグインが必要です。
ここから先は、3つのページが参考になります。QGISとArcGIS Proの比較では価格、機能、AIを比べています。CRSとはでは、レイヤが違う場所に表示される最も多い原因を説明しています。PyQGISでは、PythonでQGISを自動化する方法を紹介しています。普通の言葉の依頼でQGISの作業を実行したい場合は、AI Agentをお試しください。より広い範囲の比較は、QGIS AIのハブとQGIS向けAIプラグインのおすすめにあります。
の用途はArcGISと同じです。洪水の浸水域を地図にする、土地の区画を測る、診療所から2km以上離れた学校をすべて探す、都市計画の資料用に地図を印刷する、といった作業に使われます。2002年にGary Shermanが開発を始め、現在はボランティアと有給の開発者からなるコミュニティが運営し、QGISを使う組織が資金を支えています。

